脳梗塞の後遺症の中でも多くの方が悩まされるのがシビレです。
手足の感覚が鈍くなったり、常にジンジンとした違和感を感じることは、日常生活の質を大きく下げてしまいます。
当院でも、シビレを改善したくて、マッサージを受けてくださっている利用者様はいらっしゃいます。
本記事では、「脳梗塞の後遺症によるシビレ」に対して有効とされるマッサージとツボ押しを、注意点とともに解説します。
目次
なぜシビレにマッサージが有効なのか
居宅介護支援事業所や施設のケアマネージャー様からは、「私が担当する◯◯さんですけど、いつも痺れがつらいって仰っていて、マッサージで改善できる可能性ありますか?」とご相談頂くケース、比較的良くあります。
「定期的なマッサージでシビレ改善に繋がる」
ということを知らない方は意外と多い印象です。
- 血流改善:筋肉をやさしく刺激し、末梢の循環を高める。
- 筋緊張の緩和:こわばった筋の緊張をほどき、神経圧迫を軽減。
- 感覚入力の増強:触圧刺激で脳へ適切な感覚情報を送り、回復をサポート。
- リラックス効果:自律神経を整え、不安や不眠の軽減にも寄与。
目的 | マッサージの効果 |
---|---|
血流改善 | 手足の末端まで循環を促し、シビレを和らげる |
筋緊張の緩和 | 硬くなった筋肉をほぐし、神経圧迫を防ぐ |
感覚刺激 | 触覚刺激で脳の再学習(ニューロリハ)を支援 |
リラックス | 自律神経の安定で不安・不眠の軽減 |
自宅でできるシビレ改善マッサージ
※無理のない範囲で行い、主治医や専門家の指導を受けながら実践してください。

1)手・腕のシビレに
- 手のひらを温めるように軽くさすり、指先へ向かって流す(30〜60秒)。
- 指を1本ずつ軽く引っぱり、根元から先へ関節を小さく動かす(各指5回)。
- 手首→前腕(手首から肘)を下から上へゆっくりさする(左右各1〜2分)。
2)足・ふくらはぎのシビレに
- 足首を内回し・外回し各10回。
- 足裏を親指で押しながら、かかと→土踏まず→つま先へ順に刺激(1分)。
- ふくらはぎを両手で包み、足首側から膝方向へなで上げ(1〜2分)。
3)首・肩まわりのシビレに
- 首筋(胸鎖乳突筋の外側〜僧帽筋上部)を下から上へやさしくさする(1分)。
- 肩上部を軽くもみほぐす(30秒)。
- 温タオルで首肩を温めてから行うと効果的(3〜5分)。
シビレに役立つツボ押し
東洋医学のツボ押しは、血流促進や神経系への刺激により、シビレ軽減のサポートになります。
ツボ名 | 場所 | 期待できる効果 |
---|---|---|
合谷(ごうこく) | 手の甲/親指と人差し指の付け根の間 | 手のシビレ・頭痛・自律神経の調整 |
曲池(きょくち) | 肘を曲げた時のシワの外側端 | 腕〜手のシビレ・血流改善 |
足三里(あしさんり) | 膝下外側/膝蓋骨下から指4本分下の脛外側 | 足のシビレ・疲労回復・胃腸の調整 |
太衝(たいしょう) | 足の甲/親指と人差し指の骨が交わるくぼみ | 足のシビレ・イライラの緩和 |




ツボ押しのコツ
- 息を吐きながら3〜5秒、心地よい圧で押す。
- 1つのツボにつき1日3〜5回を目安に。
- 痛みが出る強さは避け、「気持ちいい」圧でOK。
安全に続けるための注意点
- 強く押しすぎない・痛みを我慢しない
- 発熱・皮膚疾患がある部位は避ける
- シビレが急に悪化・増強したら医師へ相談
- 血栓・心疾患・重度の感覚障害がある方は、必ず医師の指導のもとで行う
プロ(訪問マッサージ)を活用するメリット

- 国家資格者(あん摩マッサージ指圧師)による安全な施術。
- 医師の同意書があれば健康保険適用の訪問マッサージを利用できる場合あり。
- 自宅で継続的なケアが可能になり、家族の負担も軽減。
当院にご依頼頂いた利用者様からも聞く言葉ですが、
「自分でマッサージしてるけれど、合っているのかわからない」
「国家資格を持ったプロにお願いした方が安心」
「健康保険が使えるから試してみようと思った」
などとお考えの方は多いかもしれません。
ご自宅や施設にいながら施術(マッサージ)を受けることができるので、脳梗塞後遺症のシビレに悩んでいるのでしたら、検討して頂くと良いと思います。
まとめ
- 脳梗塞後のシビレには、血流改善・筋緊張緩和・感覚入力をねらったマッサージが有効
- 合谷・曲池・足三里・太衝などのツボ押しを日々のセルフケアに
- 無理せず継続し、必要に応じて専門家の訪問マッサージを併用
最後までご覧頂き、ありがとうございました。